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「企業行動憲章」も「地球環境憲章」も空念仏!?
経団連への質問状とその回答

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  東芝および日立からの回答は、あまりにも市民を愚弄する内容であった。

  両社の企業行為は、両社が属する財団法人経済団体連合会が定める「企業行動憲章」および「地球環境憲章」の高邁な理念と真っ向から対立する。そこで、日本の有力企業1000社以上を会員企業とし、上記2憲章の遵守を働きかけることを通じて企業の信頼の確立に努めると謳っている経団連に対しても質問状(賛同団体5、個人47)を提出して回答を得たので、質問状の要約と(門前払い同様の)回答を以下に掲げてみたい。

 

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経団連への質問状(要約)

経団連「海外進出に際しての環境配慮事項」における配慮項目について

質問1
「環境保全に対する積極的な姿勢の明示」について

  台湾電力は出力拡大に伴う環境影響調査を行っておらず台湾監察院から批判を受けている上、台北県からは「水土保持法」違反で訴えられ、さらには環境保護署からは敷地内の高台に造成された貯水池が危険であるとして工事差し止めの命令を受けております。事業主体である台湾電力の環境や市民の安全に関する認識がこれほど低いにも関わらず、主要施設を輸出する東芝、日立などの日本企業が改善のための積極的な姿勢を見せていないことは、この事項に違反していると思われますが、ご見解をお聞かせください。

質問2
「進出先の環境基準等の遵守とさらなる環境保全努力」について

  前項でふれた「水土保持法」違反によって、塩寮では土砂の流出などの水質汚染が引き起こされました。当該自治体の法規に違反する状況が改善されていないことは、進出先の環境基準などの遵守を無視したことになります。環境影響調査のやり直しがなされないままになっていることも、日本であれば考えられないことであり、台湾における環境法規に対する明らかな違反です。台湾の経済状態や他の環境関連法規の整備状況から考えて、「進出先国の地域の状況に応じて適切な環境保全につとめる」という方針は満たされていないと思われますが、ご見解をお聞かせください。

質問3
「環境アセスメントと事後評価のフィードバック」について

  再三指摘している環境アセスメントの不備とは、当初予定されていた100万キロワットから135万キロワットへ出力が拡大されたにも関わらず、環境アセスメントのやり直しがされていない事実をさしています。変更後の出力規模での環境アセスメントが行われていないことは致命的な問題です。事業主体である台湾電力の不作為に対して、主要施設の輸出だけを請け負うのだから日本企業には何ら責任がないという立場であるとしたら、そのような態度はよき企業市民として受け入れられるものではないと考えますが、この点についてご見解をお聞かせください。

質問4
「環境管理体制の整備」について

  第四原発建設プロジェクトに関する環境保護上の懸念や進出先市民との摩擦の問題につきまして株式会社東芝の環境・リサイクル推進センターおよび株式会社日立の環境本部に書面にて質問させていただいたところ、回答はそれぞれ原子力事業部企画室および原子力事業部原子力PAセンターから届きました。環境管轄部署が掲げる方針や取り組みと、各部門の実際の企業活動実態があまりにもかけ離れているということでは、今後様々な問題が生じてくる可能性があり、影響を受ける諸外国の市民からも大きな反発が起きてくると思われますが、この不整合についてはいかがお考えでしょうか。

質問5
「情報の提供」について

  予定地は台湾有数の漁場であるホーメイ湾に位置し、地域住民の多くは漁業で生計を立てています。予定地に隣接した福隆の海水浴場は、台湾で最も水質がよいとされ夏季には海水浴客でにぎわう観光地でした。ところが建設用重機や原子炉の陸揚げのために地元の反対を押し切って港が建設されたことから、中州のように海に広がって海浜公園から大きな橋でつながっていた有名な砂浜が今年に入ってから消失してしまったのです。海に頼って生きる人々のコミュニティにおいて、地元の人々の願いを無視したプロジェクトなど、良き企業市民をめざすという立場からは全く容認できないことですし、その人々の怒りや疑問に対して両社が全く説明を行わないこと、台湾電力の不十分な情報公開による混乱の緩和のために何ら対策を取ろうとしないことは、この事項に反していると思いますが、ご見解をお聞かせください。

質問6
「環境問題をめぐるトラブルへの適切な対応」について

  台湾の予定地においては原子炉が船で運ばれてきたら漁船を連ねて上陸を阻止するという目的のもと、地元の漁民による海上訓練が繰り返されており、そのたびに日の丸が燃やされるという事態にまでなっております。また都市部でも、数万人規模のデモが繰り返し行われ、やはりそのたびに日の丸が燃やされるなど、進出先社会(予定地のみならず台湾全土)に摩擦が広がっています。さらには、予定地内にあったケタガラン族の先住民文化遺産が台湾電力によって破壊されるという事件もあり、当事者である先住民は激しい怒りを表明しております。1月28日および29日には、それぞれ台南と台北で抗議の焼身自殺を図る人が出ました。第四原発建設問題は、すでに社会的、文化的摩擦に発展しております。これまでの経過はトラブルに対して適切な対応を求める本事項に真っ向から対立すると思われますが、見解をお聞かせください。

  

経団連企業行動憲章」の10の原則について

質問7

  10原則の3においては、「株主はもとより、広く社会とのコミュニケーションを行い、企業情報を積極的かつ公正に開示する」とされておりますが、今回市民が提出した質問状に対して両社が送ってきた回答の内容は、環境や人権に配慮した企業行動を願う市民の疑問に対する回答としては、本条文の謳う精神と程遠いものです。台湾の市民とのコミュニケーションも皆無です。この現状をどうお考えになりますか?

質問8

  4においては「環境問題への取り組みは企業の存在と活動に必須の要件であることを認識し、自主的積極的に行動する」とありますが、台湾からの来訪者を門前払いし、市民からの問いかけにも真摯に答えてこなかったこれまでの両社の行動に、自主的かつ積極的な環境保全の取り組みの姿勢は見られません。このように、とにかく「つくって売ればそれでよい」という姿勢は著しく日本企業のイメージを失墜させ、環境共生の世紀への転換が叫ばれる現在において国際的に通用しないと考えますが、ご見解をお聞かせください。

質問9

  8においては「海外においてはその文化や慣習を尊重し、現地の発展に貢献する経営を行う」とありますが、先ほどから述べておりますように、予定地の民意はまさに無視され、漁業の町として海とともに発展してきた地元コミュニティが持つ文化もないがしろにされ、漁業資源そのものが危機に瀕しているとの世論が高く、先住民族であるケタガラン族の遺跡も破壊されております。文化や慣習という側面において侵害や破壊が枚挙にいとまがありませんが、これについてご見解をお聞かせください。

質問10

  10においては「本憲章に反するような事態が発生したときは、経営トップ自らが問題解決にあたり、原因究明、再発防止に努める。また、社会への迅速かつ的確な情報公開を行うとともに、権限と責任を明確にした上、自らを含めて厳正な処分を行う」と謳われております。企業に対する市民の不信感や屈辱感は、近年にない高まりに至っております。第四原発の問題に関しても、これほどさまざまな問題が国際問題へと発展しつつあるわけですから、社会への迅速かつ的確な情報公開と対策が必要であると考えますが、ご見解をお聞かせください。

質問11

  この10原則の前文として「国の内外を問わず、すべての法律、国際ルールおよびその精神を遵守するとともに社会的良識を持って行動する」と謳われておりますが、第四原発輸出にはNPT違反の疑いがあるという問題があります。この問題が国会で大きく取り上げられており、状況によっては国際法違反となる可能性もありますが、NPTとの関連ではどのようなご見解をもっていらっしゃいますか?
  台湾は核廃棄物を自力で処分する予定がなく、北朝鮮、マーシャル、中国などと核廃棄物輸出の契約を模索しているような状態です。すでに、先住民族タオ族の住むランユ島に大量の核廃棄物を押しつけて住民に被曝をしいています。このように、再利用の可能性もなく、安全な貯蔵法法が未だ確立されていない核のごみを他国、それも経済的に疲弊または困難な状況にある国へ輸送することを明言している国に原子炉機器をさらに提供するということについては、バーゼル条約の精神から見て道義的な責任があると思われますが、この点に関してご見解をお聞かせください。

 

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経団連からの回答

(社)経済団体連合会
環境・技術本部  本部長  高橋  秀夫

  謹啓  ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

  4月4日付のファックス文書を拝受いたしました。

  さて、ご指摘の台湾第四原発に関する懸念につきましては、原則として建設・運営主体である台湾電力と許認可権限を有する台湾政府の問題と認識いたしております。東芝、日立は台湾電力と契約を交わしているGE社からの要請に基づき、一部関連の施設・機器を納入する契約を交わしていると承知しております。そのため2社の活動が、わが国の輸出関連法規等にのっとった合法的な経済活動である限り、2社に経団連の憲章に関わる問題が生じているとは理解しておりません。

  ご指摘の「地球環境憲章」と「企業行動憲章」は、経団連が自ら制定したガイドラインです。会員企業はこのガイドラインに基づいて行動することが期待されておりますが、今回の案件では上記の活動に関して、これらの憲章に照らして何ら問題とすべき事態が生じているとは考えられませんので、我々が2社に対して何らかの意思表明をする予定はありません。

  取り急ぎ、当方の考えをお伝え申し上げますので、事情ご賢察の上、充分なご理解を賜るようお願い申し上げます。謹白

 

 

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No! Hitachi Toshiba Mitsubishi

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